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柄にもなく小説の書き方ガイド等を読んでみました。
……役に立たねぇぇぇぇ!!!
オールタイムベストレベルのエンタメ系のガイドブックはそれなりにいいんですが、最近出版されたライト系の小説ガイドの役に立たないことと言ったら!
「お役立ち」で有名な『新人賞の取り方教えます』シリーズとかはすごくいい。見ていてもグッとくるようなアドバイスがあります。でも、最近のヤツは正直どうなのよ。
「小説を書くにはまずたくさん本を読まなくてはいけません」
……本を読まずに小説を書く阿呆がいるか!!!
フランスパンも喰ったこともない人がフランス料理を作りたい、ギターの演奏を聴いたことの無い人がロックをやりたいというくらい間違ってると思います。いや、でも最近はそういう人もいるのかな? どうだろう……?
ですが、とりあえず初心に帰って文体模写とかをしろ、というアドバイスは的確でした。あまりに衝撃的な出だしにあやうく本を地面に投げつけたくなりましたが(立ち読みです)、後半はけっこういいことが書いてありました。
昔から不思議に思ってたのですが、あのテのガイドは、なぜかかならずエンタメ系のほうが厳しいことを言っていて、純文学系のほうがぬるいことを言っています。
エンタメは売れないと話にならないから厳しいのでしょうか。でもそもそも『純文学』のテーマってのがあいまいなので、なんともいえない。
最近山本弘のエッセイを買ったのですが、「SFは純文学を目指そうとして腐った」と指摘している章があり…… でも私はそういうSFのほうがぶっちゃけ面白い。思弁小説というジャンルでしょうか。あまりたくさん読んでないですけれども、『リスの檻』とかドキドキしましたし。
ウィキをみたら谷崎の作品が純文にあげられていて、ええー、えー、という気がします。あれは情痴小説であって純文にしてはあまりにエロに走ってないかな? でも、マンティアルグというフランスの大御所作家さんも純文。いや、あれはフランス文学かな。最近一気にメジャーになった小川洋子も純文…… 純文……?(悩
ロートレアモンも純文。ちょっとまて。ここまでくるとさすがに信じません。全部ただのポルノじゃん!!
マンティアルグはフランス文学者なんですが、かなりの量のエロ小説を書いています。有名なのが『閉ざされた城の中で語る英吉利人』。陰鬱な雰囲気がたまらない、古典的なユートピア系ポルノ。ロートレアモンは『マルドロールの歌』。残虐酸鼻を極める描写を華麗に描いた連続詩。
小川洋子だって、『薬指の標本』だしさー、『ホテル・アイリス』だしさー。
幻想文学は純文と仲がいいのか、なにも考えないで漁っていると、気付いたら純文の畑の中に居て、「あれ?」となることも少なくないみたいです。ジャン・ジュネか…… やっぱりポルノじゃないか……
純文学系ポルノ、好きです。
「大好きだ!」と言ってもいいくらいです。
特に、サドの諸作品のような、「すごく壮大な大金持ちがお城に美男美女を集めて凄まじい規模の乱痴気騒ぎ」みたいなストーリーが面白い。『O嬢の物語』に出てくるロワッシーの館、『閉ざされた城の中の英吉利人』のド・モンキュの城あたりが超ツボだったのですが、とにかく枝葉末節にこだわりつくすあたりが良い。建物の規模から、着ているものから、食べているものまで。フィクションじゃないと到底出来ないレベルの蕩尽を味わえる、それが純文系ポルノの特徴でしょうか。
メジャーどころはごく少なく、『一万一千本の鞭』、サドの諸作品、『毛皮を着たヴィーナス』あたりが有名どころかなあと思います。それ以外となると入手が困難に。でも日本モノはそこまで危険視されていないせいか、野放し状態で普通に読めると思います。『眠れる美女』とか、『春琴抄』とか。
『眠れる美女』にインスパイアされたガルシア・マルケスの『我が哀しき娼婦たちの思い出』も読んでみたい。
正直、何がなんだか分からなくなってまいりました。
強引に〆。