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あんまり詳しく調べてるわけじゃないので、間違いが混じってるかもです。すいません。

ヨーロッパだと最も一般的かつ象徴的な花は、間違いなく百合と薔薇でしょう。百合は聖母マリア、薔薇はイエス・キリストの象徴とされており、キリスト教文化だと双方非常に重要な花であります。事実、『国花』について調べてみると、ヨーロッパは薔薇を象徴としている国がやたらめったら多かったりします。
旧約聖書だと、『雅歌』と呼ばれる章に「シャロンの薔薇、野の百合」という言葉が使われており、なんとなく聖書に出てくる人たちにはこの二つが似合うイメージが在ります。
ただし、実はこの花、二種類とも園芸品種という意味だと、純正のユーラシア大陸産とは言いがたいところがあったりします。

百合に関しては、ヨーロッパ固有種は『マドンナ・リリー』と呼ばれる品種だけだったのですが、実はこれはあまり大きな花を咲かせません。花のサイズ、華やかさでいうと、やっぱり『カサブランカ』が百合の花の王様だといえましょう。
……しかし実はカサブランカは、オリエンタル系と呼ばれる品種。日本原産のタモトユリという花を配合することによって作られた品種なのです。
日本は、なぜか元来百合の固有種が多い国です。ぱっと思いつくだけでも、テッポウユリ、オニユリ、スカシユリ…… しかし、日本だとなぜかそこまで愛されていない百合の花。その証拠に和歌などでも百合をうたったものはあまり多くありません。ナゼなのか? 知りません。でも、食用としては昔から一般的だったようです。哀れ、百合。日本人は花より団子ということなのでしょうか。

薔薇に関しても実は同じで、オリエンタル系を配合しない薔薇は『オールド・ローズ』と呼ばれ、現在、薔薇と呼ばれて一番にイメージするような花弁が重なっていて花びらがとがっている…… という形をしていません。
オールド・ローズはヨーロッパ原産や中近東原産の花を交配されて作られたものなのですが、これは春にしか咲かないという特徴がありました。そこに中国原産のコウシンバラを配合してはじめて、四季咲きのモダン・ローズの歴史が始まります。
同時にその時代には、日本からも交配用の品種としてハマナスなどが輸出されていたそうです。ハマナス…… どっちかというと野生植物の印象が強いアレです。北海道とかに行くと浜辺一面に咲いていますが、白や薄ピンクの一重咲きが日本人の好みに合わなかったのか、あまり園芸品種として扱われてはいなかった気がしますね。ただし、ハマナスは匂いがよいため香油のために栽培されることもあるそうです。
日本語で薔薇をいうと、『長春花』などといいます。四季咲きでありどの季節でも咲いているからこその呼び名でしょう。ただし、やっぱり日本だとあまり薔薇が愛されていたような気はしません。薔薇を書いた有名な短歌、着物、絵なんかはあまり無いような気がする…… ってのは、やっぱりそういうことなんだろうなぁ。

17世紀~20世紀、プラントハンターと呼ばれる人々が活躍した時代がありました。彼らの仕事は船に乗って海外へと行き、珍しい植物の種や苗を観賞用・薬用などのために持ち帰ることです。
今となってはあまりピンとこない概念ですが、こういう風に調べてみると、たしかにそれはロマンティックな仕事だっただろうなぁと思います。
まだ鎖国を解かれたばかりの日本へと訪れて、たくさんの花をつけた大輪のヤマユリの株を見つけた、あるいは浜辺で芳しい花を咲かせるハマナスを見つけたプラントハンターは、どういう風に思ったのでしょうか。なんか小説になりそうな話です。

ちなみに、聖書に出てくる『百合』というのは、現在でいうところのチューリップの仲間ではないか? と言っている学者さんもいるそうです。オリエントには百合は自生していないためです。
逆に言うと、日本だとあんなにも愛されて品種改良の対象になっているサクラの仲間は、ヨーロッパだと食用として扱われていることが多いようです。サクランボ、スモモ、アーモンドなどはどれも似た仲間であり、白~ピンクの一重の花をいっせいに咲かせるのですが、ヨーロッパの人がその下でお弁当を広げてお酒を飲むという話も聞かないので、たぶん、あんまり花を見る植物だという認識はされていないのかもしれません。リンゴの花というのはある意味美しいニュアンスがあるようですが……
日本だと、春になるたびにJ-POPで『サクラ』をあつかった歌が出てくるんですから、サクラへの偏愛はそうとうなもんだよなぁと思います。ちなみに韓国だとムクゲ、中国だとウメやボタンが主に愛されているそうですが、ムクゲ…… あんまり日本だと一般的じゃないですよねムクゲ。

ちなみに自分の中で一番ヒットだった国花は、カンボジアの『イネ』だったりします。
カンボジアの人たちは、緑のイネがうつくしい水田を見るたびに、懐かしいカントリーな風景だなあと思っていたりするのかと思うと、なんだか可愛いなぁと思うのでした。
ちなみに、かのアメリカ合衆国には国花が無いそうで…… 資料によってはセイヨウオダマキと書いてあるモノもあるのですが、うーん? 自分はハナミズキが国花だと信じてたんですが、資料によってまちまちです。日本だと慣習としてサクラが国花ですが、天皇家の花はキクなのと似たようなことなのかもしれません。
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