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どうも最近方向性が定まらないですねー。
今書いてるのは同時進行で四本。中篇一本に長編の『黒鳥城…』と『白雪姫』、さらにギャルゲー風猟奇ラブコメの『猟奇的な彼女たち』(コレはネタなので公開するかどうかは分からない)、さらに二次創作の畑でアンソロジーの企画があるのでその原稿もぼちぼち動かさないといけないし……
あんまり浮気ばっかりして書いてるってのは良くないと思うんですが、自分で自分が何を書きたいのか良く分からないんですもの。冗談みたいなギャグっぽい話(これは『黒鳥城…』と『猟奇的な…』)、陰湿この上ないホラー(これは中篇。いじめの話)、さらに割りと力を入れて書かないといけない長編(『白雪姫』)と揃っているので、何から手を付けたらいいのかさっぱり分からないのでした。
1日に公開した『海辺の王国にて』も割りとなんも考えずにばーっと書いたんですが、最近そういうのが多い。単に手が遊んでるみたいな感じの作品というか。あんまり深く考え込まないで書いてるというか。
良くないですねぇ。文章を書くときはきちんと考えて推敲しながら書かないとレベルアップにつながりません。表層の描写だけで遊ぶ話はやっぱり薄い。もっと骨子のしっかりした話を書かないと、いつまでたってもレベルアップになりません。
ところで、坂口安吾の『桜の花の満開の下』を買ってきましたよ。(『桜の木の下には』じゃないよ)
時代物説話物の短編集だったんですが、目的は表題作じゃなくて『夜長姫と耳男』っていう寓話風の物語。『ヒダのタクミ』(飛騨の匠?)なんてもんが出てきたりもしますが、雰囲気はどちらかというと中世日本風ファンタジーに近いかも。長者の娘であるこよなく美しい夜長姫と、彼女のためにミロクボサツを作ることを命じられた耳男という匠をめぐる物語。
この上なく美しく、童女のように無邪気な笑顔を見せる夜長姫。でも、その夜長姫はこよなく残酷で恐ろしい姫君でもありました。耳男の耳をこともなく削ぎ取り、憎しみを込めて作り出したバケモノの像を愛玩し、人々が疫病で死んでいく姿を楽しそうに見つめている。まるで残虐な少女神のような夜長姫を前にして、そして耳男はとうとう「この姫がいてはチャチな人間世界は立ち行かない」とまで思いつめて姫の殺害を謀るのです。
姫の最期の言葉、「好きなものは呪うか殺すか争うかしなければならないのよ。」という一言がとても深い。さながら神のような夜長姫の前だと、ただ傲慢で残酷なだけの『桜の花の満開の下』のヒロインはかすんでしまいます。
いいなあ、こういうキャラクター。こういう神のごとき少女、というものを書けたら、作者ってのはどれだけ幸せでしょうか。ロリコンとしてはなおさらですよね。(笑)
ただ従属的なだけの女の子供ではなく、蠱惑的なニンフェットのほうが魅力的であるように、さらにいうなら古代の女神のように残酷で無垢な少女神のほうがより美しい。ロリコンとしてはそう思う。手が届かないほどに美しく崇高な少女神の姿というものを、私は天野可淡の人形の面影や、この『夜長姫』なんかに垣間見たりするのですが…… まあ、これは余談余談でした。
あ、ちなみに『海辺の王国に』はアウトサイダー・アーティストであるヘンリー・ダーガーをイメージした話+エドガー・アラン・ポオの『アナベル・リー』って感じですね。某所の掲示板に投稿したときに『ロリータ』の原題は『海辺の王国』だと指摘されてびっくりされたんですが、それもまあ、余談、余談。(笑