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メモメモです。

移行対象ってのは発達心理学の権威ウィコニットが提唱した概念で、要するに、『ライナスの毛布』的存在のこと。
自己愛と他者愛が融け合ったような母親の側から離れ、寂寞とした自立と孤独の世界へと出発するという厳しい旅の途中で、その旅を助けてくれる存在としてあらわれるものたち…… のこと。
(あいかわらず文章書きは、必要以上に叙情的な物言いで困る)
ようするにいつも手放せないぬいぐるみとか、そういう存在? 場合によっては見えないお友達(イマジナリー・コンパニオン)という存在になることもあるのだとか。
ちっちゃな子がいつもぬいぐるみを持ち歩き、話しかけ、まるで生きた存在のように扱っている。そういうのが『移行対象』らしいです。

NHKの『みんなのうた』で、『クマのぬいぐるみ』という曲があるんですが、これがものの見事にそういった存在について語っていてすばらしいです。

”ぼくはクマのぬいぐるみ ひとつうでがちぎれそう 耳がやぶれてそこから白いわたがのぞいている
 そうさ 古いぬいぐるみ 五年前のクリスマス パパのサンタクロースがきみのために買って来た
 それからずうっと仲良しで いつもいっしょにねむってた だけどきょうからぼくなしで ひとりでねむれる
 すこしさびしくて ちょっとかなしくて とてもうれしいよ
 
 ぼくはクマのぬいぐるみ わらえないし しゃべれない 
だけどずうっと友だちさ 寂しいときはママ代わり
 君はぼくをよくかんだ そしてほうりなげもした なのになきむしのきみは いつも死ぬほどだきしめた
 ある日 いなかへいくときは いっしょじゃなくっていやだって だだをこねていたあの日が昨日のようだね
 すこしさびしくて ちょっとかなしくて とてもうれしいよ”

移行対象ってのは、『幻想の母親(無限の愛を与えてくれる)』が、『現実の母親(有限の愛しか持たない)』へと移行する間に現れて、心からの思いやりをくれる不思議なお友達です。
とはいえ、彼らはやがては忘れ去られて消え去る運命にある…… といいます。でも、ウィコニットによると、彼らは完全に消滅するのではなく、『リンボ界』とでも呼べる心の片隅に移り住むだけで、ときおり、友だちのためになら顔を出してくれることもあるのだとか。
日本人の小さいもの、可愛いもの嗜好というのは、そのリンボ界への道へのハードルの低さゆえに現れるんじゃないか、と言っていたのが香山リカでした。
日本だと、いわゆる大の大人が『移行対象』的なものを愛好していても、それが度を過ぎなければ社会的にけっこう許容されてしまう。それがいいとか悪いとかじゃなくて、それが日本という土地柄なんだと。

『ぼくはクマのぬいぐるみ わらえないし しゃべれない 
だけどずうっと友だちさ 寂しいときはママ代わり』
この一節が、何か、すごく心に沁みたのだなあ。
彼らは、きっと『ずうっと友だち』なのです。どんな人だって、年を取ろうが、男だろうが、親になろうが、罪びとになろうが、心のどこかにきっといて、『ずうっと友だち』でいてくれる。

そういうものについて、書きたいなあ。

 

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