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昨日書いた文章についてS嬢にいろいろ言われたので補足。
『餓鬼』という言葉について若干含みニュアンスがあったというか、吉原幸子の詩のイメージだったんですよーと言ったらかなり雰囲気変わるといわれたので、ためしにそれを引用してみます。かるくググって見ても出てこなかった吉原幸子…… 

*****

『鬼に』

あなたは ならうと思へば 不幸になれる
でもわたしは 不幸になれないって
それから幸福にも

さうです それが餓鬼道です
たべられないから 幸せになれず
たべたいたべたいと思ふうちは 不幸でもない

不幸でなくても 餓鬼はかなしい
たべたがらないひとより かなしい
こどもは駄菓子やのまへで
ほんとに泣くのです
おとなは 風船ガムなんかたべたくないから
だから泣かないだけ
たべたくなくなることを おとなは不幸とよぶのですか

それは ホトケさまの 或いはエンマさまの
或いは自由の身である鬼たちの不幸
囚人たちには ただ
終わり無い 餓えのかなしみ
満足も あきらめもない
うろうろのかなしみ

さうです わたしはいつもうろうろする
一匹の餓鬼です


****

吉原幸子の詩は、なんていうか、触ると血の出るような痛みに満ちてて、いい。
ノリとしてはCoccoあたりに似てるんじゃないだろうか。
『鞭』って詩とか、『おまへが だんだん……』のあたりのひりひりした痛みは、思春期の少女の痛みの味がします。『液体』の一節なんて、そのまま、Coccoの歌に乗せてもいいくらい。

***

『液体』(抜粋)

血なんてまるで 
いくらでもでてくるものだね 
切りさえすれば

もんだいは刃もの 
その切れ味 
ということのむなしさ

カミソリのするどさと 
ナタの重さ 
どちらかに決めてしまふことの インチキ

***

タテタカコにもちょっと似てる……?
吉原幸子、調べると1932-2002ですって。戦前の生まれか!
女の子であることの痛みってのは、時代に左右されないもんなのかしらん。そういえば、太宰の『女学生』にも、なんていうか女の子らしさってもんが満ち溢れてたなぁ。
まあ、戦後になって、『少女』というものが生まれて以来のことなのかもしれない。そのへんは大塚英志の本でも読みますか。



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