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谷山浩子オフでとある方からぶんどった(失礼でごめんなさい……)ラジオドラマ『悲しみの時計少女』を最後まで聞きました。全部で10話編成。一話15分。10日くらいかけて聞こう…… と思ってたら三日で聞いてしまったという。

しかしこのドッペルっぷりはいかなることか。すごい谷山ワールド全開でした。そして、ものすごく面白かった!!
これがCD化してないってのはもったいないなあ、って感じです。あとでネットで調べたら、復刊希望が多いというのもやんぬるかな。

元町で彼氏と待ち合わせをしていた浩子さん(そう、主人公は谷山浩子本人なのです)は、いつも時刻を確認していないと気がすまない時計中毒患者。の、はずが今日に限って腕時計を忘れてしまっていたことに気づいてしまう。今日はなんか変? 
そう思って嫌な予感を抱いた浩子さんの目の前に、サカナの目をした『サカナ男』が登場して、自分は浩子さんの元彼だと主張し始める。しかも、その彼が連れてきた今彼女は、なんと、顔が時計の文字盤になっていて、手にした時計の文字盤が女の子になっているという顔時計逆転の『時計少女』だったのだ!

というわけで、『サカナ男』と『時計少女』に連れられて、鎌倉の時計屋敷に向かうべく出発することになってしまう浩子さんなのだが……

という話。冒頭からして変。すごく変。顔と時計が逆転した女の子ってどこから出てくる発想なんだよ!!
でも、別の意味で面白かったのが、出てくる地名でした。元町~鎌倉のあたりって私の家のすっごい近所なのです。電車でだいたい15分くらいか? 
元町の喫茶店…… とか言われてもイメージが素直に浮かぶのですが、そういうところを怪しい人々が歩いてるところが想像できるのがあまり嬉しくありません。いや、楽しくはあるんですが。

話はひたすらシュールな方向へと進んでいき、ラストにいたって非常にルイス・キャロル的な残酷展開へと発展していきます。個人的にはミヒャエル・エンデの大人向け小説(『鏡の中の鏡』とか『自由の牢獄』とか)も連想しました。ああいう理不尽で残酷で悪夢のような、それでどこかしら童話のような世界観。

後ろに行くにしたがってどんどん話が気になって、10日かけて聞くつもりだったものを三日で聞いてしまったんですが…… いやあ面白いなあ! すげえや谷山浩子。

そして、同時になんとなく思ったのが、某オリジナル小説サイトさんが谷山浩子を大好きだと公言しているのが、こういう世界観だったのね、というのが納得がいったこと。すごく通底するものを感じました。

なんかこういうのを聞いてると悔しくてならない。谷山浩子がいちばんバリバリに現役として活動してたころになんで生まれなかったんだろ~。実は谷山さんの曲自体は最近のほうが好みなんですが(ぜんぜんパワーダウンしないのがすごい)、昔に生まれてたってずっと谷山さんのファンは出来たもんね。
聞きたかったです、谷山浩子のラジオとか。今となっては無理な話ですが…… 悲しい~(泣

でも、いいもん手に入れられて幸せでした。ありがとうございます、ゆずってくださった方。それに主催者様。
ファン同士の交流って素敵、と思った瞬間でした。

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