オリジナルサイト日記
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やなぎみわという人がやってた企画に『My Grandmothers』っていうもんがあるんですが……
20~30代(もしかしたら10代も?)の若い女性に、自分の50年後を想像してもらい、特殊メイクで50年後の姿に扮してもらう、という写真企画です。
私はコレが大好きで、ネットでも閲覧できるため、何回も何回も見てます。(Googleで『やなぎみわ』で検索すれば誰でも見れます) そして、自分がもしこの企画に参加していたら、どんな50年後を想像していたかなとふと考えてみました。
50年後……
場所は精神病院の一室か、あるいは、どこかの公営老人ホームの一室で。
不潔な老女が一人、一心不乱にキーボードを叩き続けている。そもそもキーボードというもの自体が今の世の中だと時代遅れだけど、彼女はほかのツールを知らないからそれしか使えない。老眼だからもはやよく画面も見えない。でも、誰が話しかけても返事もせず、ずっと書き続けている。
彼女が書き続けているのは、長い、長い物語。
残酷で、背徳的で、グロテスクな、一度読むと誰でも不快にならずにはいられないような物語。でも、一度読むと二度と忘れることの出来ないような物語。
彼女はそれを誰かに見せようとは考えない。ただ取り付かれたように書き続けている。誰かが彼女からキーボードを奪い、外の世界に連れ出そうとしたこともあったけれど、キーボードをなくした彼女は自分の血で壁に物語を書き続けようとしたので、もはや誰もがそれをあきらめた。
背中はカマドウマのように曲がり、足は萎えている。彼女の物語は書き続ける以上完結しない。そして彼女は、貧しくてみすぼらしい精神病院の片隅にいながら、絢爛とした残酷さに彩られた小宇宙の中に、神として君臨し続けるのだ。
……ってところ?
なんかこれって典型的なアウトサイダーアーティストじゃーんと思いつつ(笑) というかヘンリー・ダーガーみたいですね。
アウトサイダーアーティストってのは、『美術教育を一切受けない者が自発的に行う創作活動の産物』を意味します。具体的には文盲者、知的障害者、犯罪者などの人々が作り出す芸術作品を指すことが多いです。
彼らは芸術教育を一切受けないので、作り出すものは一種異様な様を見せます。異様に緻密だったり、また、稚拙だったりしながら、けれど奇妙な魅力と引力を持ち合わせています。私はそれが大好きで、スイスに存在する世界で唯一のアールブリュットの美術館まで行ってきたりもしてます。
ヘンリー・ダーガーってのは有名なアウトサイダーアーティストの一人で、極貧の中で生活しながら、人生のほとんどをかけて一本の物語…… 絵と小説でつづられた『非現実の王国で』という物語を書き続けていました。それは正義の少女戦士たちが悲惨な戦争の続く世界で正義の戦いを続ける…… という一種陳腐なものなのだけれど、その内実は残酷さと悲惨さ、異様な美しさに満ちています。
ダーガーってどういうことを考えて生きてたんだろう、とそれを見ると思います。
自分の中の小宇宙で生きながら、どんなことを考えていたんだろうって。アウトサイダーアーティストの作品は、人間の中の世界の混沌とした豊穣さを教えてくれます。そんで、私はそういう生き方をしてみたいなあ、と思うのです。
実際のところは他人の評価に拘泥し、寂しさに弱くて自己顕示欲の強い普通の人間の私にはそんなの無理だと思うんですけど…… 50年後だったら! 50年後だったら!!(笑
他人から見てどんなに悲惨でも、究極の自己愛のなかを生きる、みたいなもんですかねえ。でも、そういう生き方、憧れるのでした。
20~30代(もしかしたら10代も?)の若い女性に、自分の50年後を想像してもらい、特殊メイクで50年後の姿に扮してもらう、という写真企画です。
私はコレが大好きで、ネットでも閲覧できるため、何回も何回も見てます。(Googleで『やなぎみわ』で検索すれば誰でも見れます) そして、自分がもしこの企画に参加していたら、どんな50年後を想像していたかなとふと考えてみました。
50年後……
場所は精神病院の一室か、あるいは、どこかの公営老人ホームの一室で。
不潔な老女が一人、一心不乱にキーボードを叩き続けている。そもそもキーボードというもの自体が今の世の中だと時代遅れだけど、彼女はほかのツールを知らないからそれしか使えない。老眼だからもはやよく画面も見えない。でも、誰が話しかけても返事もせず、ずっと書き続けている。
彼女が書き続けているのは、長い、長い物語。
残酷で、背徳的で、グロテスクな、一度読むと誰でも不快にならずにはいられないような物語。でも、一度読むと二度と忘れることの出来ないような物語。
彼女はそれを誰かに見せようとは考えない。ただ取り付かれたように書き続けている。誰かが彼女からキーボードを奪い、外の世界に連れ出そうとしたこともあったけれど、キーボードをなくした彼女は自分の血で壁に物語を書き続けようとしたので、もはや誰もがそれをあきらめた。
背中はカマドウマのように曲がり、足は萎えている。彼女の物語は書き続ける以上完結しない。そして彼女は、貧しくてみすぼらしい精神病院の片隅にいながら、絢爛とした残酷さに彩られた小宇宙の中に、神として君臨し続けるのだ。
……ってところ?
なんかこれって典型的なアウトサイダーアーティストじゃーんと思いつつ(笑) というかヘンリー・ダーガーみたいですね。
アウトサイダーアーティストってのは、『美術教育を一切受けない者が自発的に行う創作活動の産物』を意味します。具体的には文盲者、知的障害者、犯罪者などの人々が作り出す芸術作品を指すことが多いです。
彼らは芸術教育を一切受けないので、作り出すものは一種異様な様を見せます。異様に緻密だったり、また、稚拙だったりしながら、けれど奇妙な魅力と引力を持ち合わせています。私はそれが大好きで、スイスに存在する世界で唯一のアールブリュットの美術館まで行ってきたりもしてます。
ヘンリー・ダーガーってのは有名なアウトサイダーアーティストの一人で、極貧の中で生活しながら、人生のほとんどをかけて一本の物語…… 絵と小説でつづられた『非現実の王国で』という物語を書き続けていました。それは正義の少女戦士たちが悲惨な戦争の続く世界で正義の戦いを続ける…… という一種陳腐なものなのだけれど、その内実は残酷さと悲惨さ、異様な美しさに満ちています。
ダーガーってどういうことを考えて生きてたんだろう、とそれを見ると思います。
自分の中の小宇宙で生きながら、どんなことを考えていたんだろうって。アウトサイダーアーティストの作品は、人間の中の世界の混沌とした豊穣さを教えてくれます。そんで、私はそういう生き方をしてみたいなあ、と思うのです。
実際のところは他人の評価に拘泥し、寂しさに弱くて自己顕示欲の強い普通の人間の私にはそんなの無理だと思うんですけど…… 50年後だったら! 50年後だったら!!(笑
他人から見てどんなに悲惨でも、究極の自己愛のなかを生きる、みたいなもんですかねえ。でも、そういう生き方、憧れるのでした。
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