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実は掲示板にていただいたお話のレスなんですが、話題的にこちらのほうが適切な気がしたのでこっちに載せます~。
人形モノは基本的に大好きです。作られたものとしての悲哀と誇り、心を持たぬ安楽、究極の受容性、そして、『人ではない』という事実そのもの。どれをとっても『人形』でしかあつかえないテーマですね。
個人的には『人形』と『ドール』と『アンドロイド』はベツモノだと思ってるんですが、どれもを併せ持ったキャラクターってのもけっこういるのであまり細かく分類するのもどうかという気がします。
なので随想風に。

1・人形
いわゆる一番古いタイプの人形。ビスクドール・アンティークドールに始まり、市松人形やもっと古典的な意味での人形も含む。『ローゼンメイデン』『観用少女』はたぶんここのカテゴリ。
熟練した職工によって作られて、高値で取引される観賞用・愛玩用の人形。基本的には魂を持たない存在だけれども、『意思』はもってることも多い気がする。
一般的にはプライドが高く、自分が美しいことを知っていて、人間は人形を世話するために存在するくらいに思っている(笑) そんで、モノがモノだけに長生きしてることが多い。感情豊かでもあんまり違和感は無い。っていうか、もしかしたらただの妖怪かもしれない。
『ただそこにいるだけ』で意味があるタイプの人形なんで、あんまり、悩まない気がする。強いていえば美しくなくなること、愛されないことは彼女らにとっては苦痛のタネかもしれませんけれども、悲哀という意味だとあまりイメージにないなあ。
人間なんてばかみたい、虫みたいにすぐ死んじゃうし、と思っているのが一番ふさわしい気がする子たちのカテゴリ。

2.ドール
あえて英語表記したのは、『球体関節人形』を意識してのこと、です。
固有の作家によって作成された、目的を持った人形。その『目的性』ってのは上記の『人形』と違うカテゴライズをされる理由で、ドールはあくまで己の目的をもって存在します。それはもしかしたら誰かの意思をあらわすことかもしれないし、何かを達成することかもしれない。場合によっては美しくないこともあるかもしれない。ちょっと恐ろしいところもある気がするイメージ。
ドールのカテゴライズってのは、ある意味アンドロイドともかぶるんだけれども、その中でもどちらかというと力無く美しく『愛される』ということを目的としている子たち、っていう意味でカテゴリを変えました。でも、『造られたもの』の哀しさ、彼ら彼女らは決して人の心を理解できないし、持つこともできない。心をもたないことの哀しみを、そこにいるだけで表しているようなところもある。
主人にたいして無償の愛を注ぎ続けるドールってのも、イメージとしてはアリ。ここは現代人形をいれるためのカテゴリなので、かなり広範に実在の人形をカバーします。
主に球体関節人形・ラブドール・SDなど。ファンタジー的な設定外だとあまり動けません。レスになりますが、『時計仕掛けのヒマワリ』のヴァニラの悲哀ってのは、『ドールとしての悲哀』ってのをすごく感じます……
まるで人が神を愛し神を憎むように、人に作られた存在であるものたち。

3.アンドロイド
上とはかなり意味合いをかえて、一気にSF的になりました。
目的を持っていて稼動しているAIを備えた人型ロボット。ただし、この『目的』ってもんが個人の作者によるものという意味合いが強くなりすぎると、カテゴリとして『ドール』に近くなります。最近のSFだとけっこう良く出てくるよなあアンドロイド。ただし、どこまでが『ドール』でどこまでが『アンドロイド』なのかというと、かなりあいまいです。大きな枠として考えるなら、本来ほとんど動かず人間を脅かす力を持たないのが『ドール』であって、人間を超える能力を持つものである場合は『アンドロイド』とすると分かりよいかと。
人に近いため、人のエゴを映し、人の醜さを指摘する力を持つ存在。そして場合によっては戦う存在。ターミネーターもアンドロイドだしねー。硝煙の臭いと、むき出しになった金属パーツが良く似合う。
昔昔の言葉で言うなら『ロボット』なんでしょうが、自分の中だとロボットとアンドロイドは別の存在です。ロボットは人型をしていないことが多い、ってのがいちばんのポイント。そのためにロボットは『ロボットとしての自我・権利』に悩むことはあっても、『人間ではないということへの葛藤・怒り』は感じません。
ある意味だと『人造人間』になるのかなー。
自らが心を持つと自覚し、時にその知性を、能力の高さを誇り、人間を主として見るだけではなく、ときに友として、ときに隣人として、敵として、見る事もある人たち。ここまでくると受容性はかなり小さくなり、『サイボーグ』として『人間』との境界線を踏み越えるまであと一歩です。
良くも悪くも彼らは『人間もどき(アンドロイド)』であって、『ひとがた(ドール)』ではない、というところが重要ですね。『もどき』と『型』は違います。『もどき』は本物にちかづくことを望むけれども、『型』は別にそれとして完成している。『ネコ型ロボット』は自分が猫じゃないことに葛藤するかもしれないけれども、『猫のぬいぐるみ』は別にもとからぬいぐるみである自分に疑問を抱かない、みたいな・・・・?

長くなったので割愛しますが、私は基本的には『人形』『ドール』のカテゴリの存在が好きです! あの『非人間さ』が良くも悪くも魅力だと思うのでー。
薔薇乙女は『人形』と『ドール』の中間だと思うし、三原ミツカズのDollは『ドール』と『アンドロイド』の境界線だと思います。ちょびッツのパソコンも『ドール』と『アンドロイド』の境界かな? OZの彼らは完全に『アンドロイド』。日本には『鉄腕アトム』というアンドロイド的存在の元祖があるし、江戸川乱歩が『人形愛』を一種かなり完璧に近い形で体現していたんで、よくもわるくも人形文化は日本のサブカルには欠かせないんじゃないかなーと思います。
良くも悪くも『主我』のあるなし、じっさいあるかないかというよりも、本人たちがそれを「ほしい」と思うか否か、が重要だと思われます。

まとまってないが以上!

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